概要
木材には「セルフクリーニング」を求められることは殆どなく、むしろ変色防止やカビ防止を強く求められることが今でも一般的です。
コンクリートに光触媒を塗布する場合と根本的に異なるのは「木材はそれ自体が微生物の養分である」という点です。
たとえば木材の主成分のセルロースはでんぷんと同じく分解すればブドウ糖になりますから、微生物にとっては砂糖のカタマリのようなものです。
このような栄養分のカタマリを菌やカビという微生物から守らねばなりませんので相当の対策が必要です。
たとえるならば角砂糖をアリから護るような工夫です。
理論
光触媒コーティングでの木材保護の基本イメージをこの図に示しました。
劣化の最大要因である木材腐朽菌&カビ類の繁殖を止めるためには、やはり銅イオンCu2+を潤沢かつ長期間供給することが重要になりますが、それ以にも外部からの降雨、結露水、UV 光等から木材を保護するためにかなり厚いフッ素樹脂層を形成させることが必須になります。
尚、このフッ素樹脂はナフィオンなので木材の呼吸を止める心配がないのが隠れた最大のメリットです。
光触媒反応は残念ながら木材腐朽菌&カビにはまったく歯が立ちませんがフッ素樹脂層に適度に親水性を帯びさせて銅のイオン化を促進するのとUV 光を吸収するという副次的ですが重要な役割を担っています。
寄せられた実例
動画でもご紹介しております。
ちなみに現在でも木材表面の腐食を予測できる促進試験はないのでこのような屋外曝露がもっとも正確な実証試験になります。
これからの課題
特記すべきはバインダー樹脂に採用しているフッ素樹脂であるナフィオンが沸騰水にもビクともしないほどの耐熱水性を有することです。
引き続き高級温泉旅館のヒノキ風呂の劣化防止等、木質でなおかつ頻繁に温水に曝される部位への適用最適化に取り組んでおります。
施工仕様
通常のNFE2 より厚めに造膜させねばなりませんので仕上がりの美観確保の観点からもスプレー塗装の吹き重ねで施工されることが多いですが、刷毛やローラーでも施工は可能です。
通常のNFE2 より銅粉の濃度が格段に高いので沈殿防止のため再攪拌を念入りにお願いします。
工程 | 材料 | 方法 | 塗布量 | 養生期間 |
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下地調整 | 漂白剤他 | 表面をきれいにする | 指触乾燥まで | |
光触媒塗装 | NFE2(木材用) | スプレー・ローラー・刷毛等 高知の塗装器具で塗る | 60~80/㎡ | 6hrs< |